『MAN OF MEDAN(マン・オブ・メダン)』Until Dawnを越えられなかったホラーアンソロジー第1作目【感想/レビュー】
ヤギ(yagi_psplus)です。『MAN OF MEDAN(マン・オブ・メダン)』をクリアしましたので感想を。Until Dawnを”前作”と表記している部分があり、多くはUntil Dawnを比較対象としているので不快な方はスルー推奨。
1. 概要
発売元 | バンダイナムコエンターテインメント |
ジャンル | アドベンチャー |
公式リンク | 公式 HP |
STOREリンク | Store HP |
2. あらすじ
THE DARK PICTURESシリーズは、1話で完結するゲームを集約したシリーズの総称です。各ゲームの繋がりは存在せず、それぞれのゲームが異なるストーリー、舞台、キャラクターで構成されています。
シリーズ第1弾ゲーム「MAN OF MEDAN(マン・オブ・メダン)」:友人同士で休日のダイビング旅行へ繰り出した5人。しかし、とある嵐の日を境に彼らの旅行は突如として、不吉なものへと変わる。
新たな恐怖体験!
幽霊船が恐怖の旅路へといざなう。
全てのプレイヤブルキャラクターに、生と死の可能性が。あなたが行う選択によって、あなた自身の物語が形成され、そして彼らの運命を決める。
生き残るために何をしますか?
あなたは、誰を救いますか?
-PS Store HPより引用-
3. 遊んだ感想やら色々
3.1 ホラーアンソロジーシリーズの第1作目
2015年にリリースされた『Until Dawn - 惨劇の山荘』の開発を手掛けたSupermassive Gamesが送る本作は、”THE DARK PICTURES”と称したホラーアンソロジーシリーズの第1作目にあたります。
今後複数回に分けてリリースされる予定ですが、1話完結型であるためシリーズを通してプレイしなくともストーリーの理解には問題なさそうです。
3.2 Until Dawnのシステムを継承
移動・選択・QTEなど、あらゆる操作やシステムをUntil Dawnのものを継承した印象。UIや見せ方の違いはあれど変化の乏しさは否めなく、ストーリーだけを置き換えたと言っても過言ではありません。
今作であらたに追加された鼓動QTE。右から左に流れてくる波形の範囲内で×ボタンを連続で押下できると成功。感覚としては音ゲーに近く、特に難しさはありません。
逆にUntil Dawnで採用されていたジャイロ操作が今作では未採用とされていたのはすごく残念。目の前にある恐怖から逃げたくとも動けない演出は、プレイヤーの緊張感とキャラクターの心境との共有に大きく貢献していたかと思います。
3.3 ホラー演出の弱さ
Until Dawnで多用されていたびっくり演出は今回も健在。しかし全体的にホラー要素が弱まったように感じます。
Until Dawnでは見るからに恐ろしいウェンディゴや殺人鬼などに追われる恐怖が強くありましたが、今作ではホラーシーンにあまり動きがなく、転がってくる死体であったり効果音だけの演出が多いです。また、グラフィックは美しくも一部前作からの流用を感じてしまいました。
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Until Dawn
もう一つは舞台です。ストーリー上、幽霊船をメインに物語は進みますが、船全体が老朽化により代わり映えしない背景が多いです。基本は一本道なので迷うことはありませんが、探索範囲はあまり広くなく、歩いているというよりも歩かされている感が強かった気がします。
3.4 周回プレイへの配慮に欠けている
自らが選んだ選択肢により物語の結末が変わるため、1周だけでなく周回することで新たな展開を楽しむことができるのですが、周回して遊ぶには配慮が行き届いていません。
1.スキップ機能がない
同じムービーを何度も見ることになります。長めのムービーが無いとは言え、一度見たシーンを繰り替えし見ることは苦痛です。
2.移動が遅い
キャラクターの移動手段は徒歩のみです。L1ボタンを押下している間は早歩きになりますが、もう少し早くても良いのでは。
3.分岐による変化が弱い
ソロストーリークリア後にキュレーターズカット(別キャラクター視点での物語)が解放されます。キュレーターズカットで選択肢を1周目とは別のものを積極的に選んでみましたが、本筋は変わらないので結局は同じ物語をなぞるだけです。生き残るメンバーが変わる部分は面白いです。
4.オートセーブのみ
プレイしている感じだとシーンの切り替わり時や選択肢を選んだタイミングでオートセーブされているようですが、手動でのセーブ機能が存在せずデータを分けることができないため、気軽に別の選択肢を楽しむことができません。
4. 総評
前作未プレイであればUntil Dawnの方を勧めたいし、前作プレイ済であればあまり期待しないほうが良いのかなという位置づけ。ストーリーはそこまで面白いと思えなかったし、最初から最後までイヤフォンをつけてプレイしたけれど怖さも薄め。1周4~5時間で価格は約3,500円と手軽さはあるもののそれでも少し高いと思ってしまいました。
エンディングのラストでは2作目の宣伝が流れるので絶賛開発中なのかと思いますが、周回するための楽しませ方をブラッシュアップしてもらい、次回作に期待したいところです。